ファスティングマイスター初級検定と私が考えるファスティングの目的

みなさん、こんにちは。

ファスティングマイスター学院 静岡西草深支部 エキスパートファスティングマイスターの稲葉です。

2月8日の日曜日、静岡市葵区西草深の洋館「ミス カニンハム」で、ファスティングマイスター検定初級試験を行いました。

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今回の受講生は「ダイエット目的」でファスティングにチャレンジをされたTさん。ファスティング終了後は「食についての意識が随分変わりました」と言う嬉しいご報告をいただきました。ファスティング中には「※ケトン体が出た!!」と言うことをTさんご自身が確認され、結果の手ごたえを実感、今後は健康管理のためにも「しっかり知識を自分のものにして定期的にファスティングを取り入れたい」と言うことで、初級検定に挑戦をされました。

※ケトン体とは、簡単に言うと「脂肪を分解する時に生成される代謝物質」で、脳のエネルギーになる物質です。ケトン体 は体内の脂肪が分解され分泌されることによって尿で排出されます。つまり、「ケトン体が出る」と言うことは、「脂肪に蓄積された有害物質が解毒された」と 言うことなのです。さらに、「ケトン体が生成された」と言うことは、ケトン体により脳のα波が誘発されるという効果も得られるのです。ファスティングをさ れた方から「頭がスッキリした」と言う感想を聞くことが多いのはこのためです。

「ファスティング」と聞くと「何日も食べないなんて絶対にムリ!!」と敬遠をされる方が多いですが、「健康」について関心のある方や「病気ではないが何となく不調」と言う方にはまず、興味を持っていただきたいです。

前回に続き、今回も「それでもファスティングが必要な訳(おまけ)」について書いてみようと思います。

前回のブログで「断食」の効果「解毒(デトックス)」です。と申し上げました。しかし、私が考える「断食」の目的は「効果」(「解毒(デトックス)」)の先の「食生活の改善」にあります。

「沖縄のはなし」

皆さんは「沖縄」と聞いて、どんな印象をお持ちですか? 最近では米軍の基地問題についてのニュースが多いように感じますが、それ以外にはどうでしょう?私は沖縄に対する深い知識はありませんが、温暖な気候、豊かな自然、独特の文化と食、長寿、健康などが思い浮かびます。

沖縄は古くは「琉球王国」と呼ばれる一つの国で、中国や南方との貿易などにより独特の文化(食文化)を発展させてきました。昔々、アジアに君臨する中国か ら派遣される使者や薩摩藩の役人のためにふるまわれた「ラフテー」や「豆腐よう」「イラブー汁」などの「宮廷料理」や、大衆的な家庭料理の代表「チャンプ ルー料理」「沖縄そば」や「煮物」などは皆さんも耳にしたり、召し上がったりしたことがあるのではないでしょうか?

この他にも、「クスイムン」と呼ばれる(=薬モノ:「食べ物が医師である」と言う予防医学の考え)豚肉、緑黄色野菜、豆腐、果実類を多く採ることや、食塩 の摂取量が少ないなどが沖縄料理の特徴として挙げられますが、これらは、沖縄が沖縄ならではの歴史と知恵から生まれた食文化であり、沖縄の人々の健康&長 寿はこのような独特の食文化に支えられてきました。

しかし・・・そう、しかしなのです。

厚生労働省による平成22年国民健康・栄養調査で、沖縄県が全国で肥満率第1位という結果が出たのです。

男性に関してはなんと45.2%もの人が肥満というデータですから、約2人に1人は肥満ということになります。更に言えば、沖縄では10 年でおよそ40%も心臓病関連の死が増加しました。平均寿命も男女ともに長年トップクラスだったのにも関わらず2000年頃から大きく順位を下げ、今や男性は30位まで転落。女性に関しては1位から3位への転落にとどまったものの、肥満率はやはり女性も全国トップです。

この原因の1つは沖縄の「食」の変化が大きく影響していると考えられます。皆さんもご存じの通り、先の敗戦後アメリカの占領下となった沖縄では、食においてもアメリカの影響を受けるようになりました。米軍の軍用食料から供出されたポークランチョンミートコンビーフハッシュ(コンビーフとじゃがいもを合わせたもの)など加工肉は「安くて手軽で美味しい」と、一般に普及し大量に消費されるようになりました。ほかにも、ビーフステーキ、ハンバーガー、ホットドッグ、ピザ、タコス(沖縄ではタコライスに発展)などといったアメリカンな食べ物も日本本土よりも早い時期から普及し、マクドナルドの日本進出より8年早い1963年にはファストフードのA&Wがオープンしました。このような影響は沖縄の食に大きな変化をもたらすこととなり、戦後生まれの現在60代以下の人たちは、子供の頃からこのような食環境のなかで育ってきました。

私達の「食」はこの40年間で油の消費量は3.6倍、肉の消費量が3.2倍に変化したと言う報告があります。食事の内容も「低たんぱく、低脂肪、低カロ リー」なものから「高たんぱく、高脂肪、高カロリー」なものへ変化し、ミネラルの摂取量は減少しました。「we are what we eat」と言う言葉があります。「私達は食べたもので出来ている」と言う意味ですが、普段「何気なく口にしているもの」や「嗜好のままに食べてきたも の」、「身体に良いと思って摂っているもの」、はたまた、「自分の意思とは関係なく摂りこんでしまっているもの」それらすべてのもので私達の身体は作られ ています。沖縄の例をあなたはどのように考えますか?

最後に、海の向こうのアメリカの話・・・。

1960年代、国民一人当たりの医療費が世界1、平均寿命が26位となったアメリカ合衆国が世界中の学者を集めて調査をし ました。1977年1月に発表をされた「上院栄養問題特別委員会報告(マクガバン報告)」のことを言うのですが、これ以降、1973年~1989年までは毎年平均12%ずつ増加傾向にあったガンによる罹患率1990年~1995年には毎年平均0.7%ずつ減少し、2013年の調査結果ではピーク時から20%減少したとの発表があります。

そして、この「マクガバン報告」の中では「理想の食」について次のように明記されています。

「最も理想的な食事は元禄時代以前の日本人の食事である」

(精白しない殻類を主食とした季節の野菜や海草や小さな魚介類)

年齢共に身体は変化します。あなたは、身体の変化に合った「食」、身体が喜ぶ「食」を召し上がっていますか?